株式会社ワイビーエム さま

ユーザーの半歩先行く商品を研究・開発
熟練者水準の施工をIoT化した
全自動施工管理制御システム「Y-LINK」
唐津市のワイビーエム

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建設・土木業の大きな悩みは人手不足と高齢化、中でも熟練者の技術伝承は深刻な課題だ。国土交通省によると、建設業就業者は55歳以上が全体の約34%を占め全産業の約29%に比べて高齢化が進んでおり、しかも29歳以下が約11%(全産業約16%)と、後継者も不足している。働き手も2012年以降、人手不足の状況が続いている。そんな中、唐津市に本社を置く株式会社ワイビーエム=YBM=(吉田力雄社長)は地盤改良工事(柱状改良工法)をloT化、画期的な全自動施工管理制御システム「Y-LINK」(ワイリンク)を開発した。誰でも熟練工水準の施工を可能にし、人手不足を解消するシステムとして、関係者の熱い注目を集めている。

3つの機械を操作し
地盤を強化する柱状改良工法
熟練オペレーターの経験と勘が頼り

柱状改良工法とは、特殊な撹拌(かくはん)羽根で土壌を掘削しながら固化剤(セメントと水などの混合物)を流し込んで土と混ぜあわせ、地中に固い柱状の杭を何本もつくる。そうすることで、地上の建造物を支えられる地盤に改良するものだ。軟弱地盤の強化や液状化防止、堤防など重厚な建造物の地盤づくりに用いられている。
この工法には、掘削・撹拌する「施工機」、固化剤をつくる「ミキシングプラント」、固化剤を施工機に圧送する「グラウトポンプ」という3種類の機械が必要。機械ごとに操作する人員を配置し、お互いが合図や無線機の声で連絡を取り合いながら施工する。定められた施工法に従って均質な杭をつくるために、土質や深さの違いによって固化剤を注入する量や撹拌羽根の回転数などを変えなければならないが、「これまでは熟練オペレーターの経験と勘に頼っていました」とYBM技術開発部の川崎賢一郎部長は話す。

3つの機械を無線でつなぎ
コンピュータ制御

Y-LINKはこの3つの機械を無線で結んでコンピュータ制御することで、柱状改良工法を全自動で行うことができるシステムだ。このシステムは国交省がIoT、AI
をはじめとする新技術によって建設現場
の生産性向上を図るプロジェクト「i-Construction」に準じて開発。土質に合わせた固化剤の注入量や撹拌羽根の回転数、掘削速度などの制を、熟練者に頼らず、プログラミングされたコンビュータが行う。開発責任者で技術開発部開発5グループの平川真吾グループ長によると、次のようなメリットがある。

  1. システムの操作に慣れれば、熟練者並みの精度
    で均質な柱状杭を施工できる
  2. 各機械に配置されていた操作人員もメインのオ
    ペレーター1人で作業が可能
  3. 使用者が工事に合わせた多彩な工法と工程パ
    ターンを組み合わせることができる
  4. モバイル通信サービス「QTモバイル」の活用で
    遠隔監視やテータ転送が可能
  5. 国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)
    に登録されており、Y-LINKを活用した公共工事
    は総合評価落札方式や工事成績評定で加点の対
    象となる

開発でこだわったのは、機械同士をコードではなく線で接続する点だった。無線だと断線するリスクがなく、機械を自由に配置できるからだ。開発チームは無線化を 実現するため、現場と同条件の実験場で感度や到達距離のテストを繰り返した。また、無線のため機械間の動作に生じるタイムラグも解決。さらに汎用性を持たせるため、ルール決めや仕組みづくりに討議や有識者のヒアリング などを重ね、工程パターンを官公庁や大手施工会社が定 めたエ法や施二手順に沿つて組み合わせられるよう工夫した。「施工機」「ミキシングプラント」「グラウトポンプ」という3つの機械をつなぐY-LINKの発想はアイデアマンの吉田哲雄会長から生まれた。この3つの機械はもともと10 年前からいち早く単体での自動化を実現しており、その 実績と経験があったからこそ、開発期間1年という短期間で販売にまでこぎつけた。2016年に発売された画期的な自動制御システムは評判を呼び、工場はフル稼働だ。

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